Japanese
English
症例報告
塩酸ジルチアゼムにより誘発された汎発性膿疱性乾癬の1例—表皮内カルモジュリン濃度を測定し得た症例
A case of generalized pustular psoriasis induced by diltiazem : That showed increased calmodulin content in the lesional epidermis
川岸 尚子
1
,
坂井 博之
2
,
飯塚 一
2
Naoko KAWAGISHI
1
,
Hiroyuki SAKAI
2
,
Hajime IIZUKA
2
1北見小林病院皮膚科
2旭川医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Kitami Kobayashi Hospital
2Department of Dermatology, Asahikawa Medical College
キーワード:
汎発性膿疱性乾癬
,
塩酸ジルチアゼム
,
表皮内カルモジュリン濃度
Keyword:
汎発性膿疱性乾癬
,
塩酸ジルチアゼム
,
表皮内カルモジュリン濃度
pp.802-804
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902307
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
63歳,女性.20年前から稽留性肢端皮膚炎に罹患していた.高血圧のため,塩酸ジルチアゼム(ヘルベッサー®)を服用し,その1週間後に全身に痒みを伴う浮腫性紅斑が出現した.ステロイド内服により皮疹は軽快傾向を示したが,減量に伴って膿疱を伴う紅斑が出現し,ほぼ全身に拡大してきた.病理組織学的にはKogojの海綿状膿疱を伴う角層下膿疱であった.エトレチナート投与により皮疹は軽快していたが,平成4年5月13日再度塩酸ジルチアゼムを投与され,全身に浮腫性紅斑の出現をみた.同薬剤によるリンパ球幼若化試験は陰性.貼布試験では浮腫性紅斑の上に明らかな膿疱の形成をみた.また,皮疹増悪時と軽快期における皮疹部のカルモジュリン濃度を測定したところ,増悪時にカルモジュリン量の増加が認められた.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.