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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1999
4 皮膚疾患治療のポイント
アトピー性皮膚炎のイソジン®消毒療法の功罪
Evaluation of povidone-iodine in the treatment of atopic dermatitis-the merits and demerits
多田 讓治
1
,
戸井 洋一郎
1
,
秋山 尚範
1
,
荒田 次郎
1
Joji TADA
1
,
Yoichiro TOI
1
,
Hisanori AKIYAMA
1
,
Jiro ARATA
1
1岡山大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
黄色ブドウ球菌
,
消毒剤
,
イソジン®
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
黄色ブドウ球菌
,
消毒剤
,
イソジン®
pp.109-112
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902868
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アトピー性皮膚炎(AD)の湿疹病変部からは高率,高密度に黄色ブドウ球菌(黄ブ菌)が検出される.皮疹の軽快とともに同部の黄ブ菌も減少することから,ADの一補助療法として除菌を目的とした抗菌薬の外用・内服,消毒剤の外用など種々の方法が試みられている.中でもイソジン®消毒療法は,当初からマスコミが取り上げたこともあり,また,ステロイド剤の副作用ばかりを強調する報道による追い風を受け,AD患者や小児科医(およびごく一部の皮膚科医)の間に急速に広まった.しかし,その本当の効果については適切な検討がなされておらず,その外用方法(濃度,外用範囲,回数など)も医師間で一定していない.イソジン®消毒療法を受ける患者が増加するにつれ,その刺激による新たな皮膚病変の合併を来す患者が増えつつある.ADという疾患の病態を再認識し,基本的治療を行いながら,除菌を目的とした消毒療法などはあくまでも補助療法であることを再確認する必要がある.
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