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特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996
2 皮膚疾患の病態
創傷治癒と増殖因子
Wound healing and growth factors
石川 治
1
,
宮地 良樹
1
Osamu ISHIKAWA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
増殖因子
,
創傷治癒
,
サイトカイン
,
wound healing
,
growth factor
Keyword:
増殖因子
,
創傷治癒
,
サイトカイン
,
wound healing
,
growth factor
pp.67-70
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901844
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急性創傷の治癒は止血後,炎症期,肉芽形成期,組織改築期を経て表皮化へと進行するが,この一連の生体反応にはtransforming growth factor-β,basic fibroblast growth factor, tumor necrosis factor α,platelet-derived growth fac-torなどの増殖因子が関与する.増殖因子は細胞の産生するサイトカインとして包括されるが,近年の細胞生物学,分子生物学の発展とともにその作用の多様性が明らかにされてきた.これらの増殖因子はその強力な作用のため,産生された局所でオートクリンないしはパラクリン機序を介して自己ないし隣接する細胞に作用すると考えられる.ある増殖因子が作用した細胞では,他の増殖至因子やサイトカインの産生が誘導され,複雑なサイトカインネットワークが形成される.正常の創傷治癒機転では,このサイトカインネットワークの総計バランスが巧妙に制御されて表皮化を完了する.
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