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特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996
2 皮膚疾患の病態
ケラチノサイトの膜裏打ち蛋白
The membrane skeletal proteins of keratinocytes
神田 憲子
1
,
布村 渉
2
,
時光 玲子
1
,
高桑 雄一
2
,
川島 眞
1
Noriko KANDA
1
,
Wataru NUNOMURA
2
,
Reiko TOKIMITSU
1
,
Yuichi TAKAKUWA
2
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学生化学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical College
2Department of Biochemistry, Tokyo Women's Medical College
キーワード:
ケラチノサイト
,
膜骨格スペクトリン
,
フォドリン
,
アドヘレンス結合
Keyword:
ケラチノサイト
,
膜骨格スペクトリン
,
フォドリン
,
アドヘレンス結合
pp.58-62
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901842
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細胞膜は,いくつかの蛋白からなる膜骨格によって細胞内側から裏打ちされている.この膜骨格の構造と機能についてはこれまで主にヒト赤血球で解析されてきたが,ケラチノサイトにおいても数種類のヒト赤血球膜骨格に類似した蛋白の存在が免疫化学的に確認されている.その主要な裏打ち蛋白のスペクトリン様蛋白に着眼し,培養ヒトケラチノサイト内にelectroporation法(電気穿孔法)を用いて抗ヒト赤血球スペクトリン抗体を導入すると細胞内で免疫複合体が形成され,Ca2+で誘導されるアクチン線維の細胞質から膜方向への移動が阻害された.このことからスペクトリン様蛋白がケラチノサイトのアクチン線維の細胞内分布を規定する重要な役割を果たしていることが示唆された.この結果を中心にケラチノサイトの膜骨格の構造と機能について解説した.
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