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増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014
5.皮膚科医のための臨床トピックス
iPS細胞の皮膚科的応用
Use of human induced pluripotent stem cells in dermatology
大山 学
1
Manabu OHYAMA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
ヒトiPS細胞
,
再生医学
,
ケラチノサイト
,
毛包
,
遺伝性疾患
Keyword:
ヒトiPS細胞
,
再生医学
,
ケラチノサイト
,
毛包
,
遺伝性疾患
pp.159-161
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103993
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要約 ヒトiPS細胞は理論的に無限の増殖能をもち,倫理的問題も少ないため再生医学のマテリアルとして注目されている.実際,神経,造血器,循環器など数多くの系統の細胞がヒトiPS細胞から誘導され,今後の臨床応用が待たれる.もともとiPS細胞は真皮線維芽細胞から作成されるなど皮膚にはiPS細胞の材料が多く存在する.また,既にヒトiPS細胞からケラチノサイト,メラノサイトなどの分化誘導が成功しており,それらを用いた3次元培養皮膚シートの作成や毛包構造の部分再生も報告された.iPS細胞技術は組織再生のみならず,遺伝性疾患の病態の解明や,変異遺伝子の修正と組合せることによりその治療法の開発にも役立つと期待される.皮膚は移植技術が確立しており,他臓器と異なり体表から観察できる.iPS細胞で懸念される腫瘍化などの問題に迅速に対処可能である.皮膚科は今後iPS細胞の技術が最も臨床に応用される領域の1つと言えるかもしれない.
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