Japanese
English
症例報告
ワルファリンカリウムによる陰嚢潰瘍の1例
A case of scrotal ulcer induced by warfarin potassium
佐藤 正憲
1
,
石河 知之
1
,
高橋 悟
2
,
橋本 功
3
Masanori SATO
1
,
Tomoyuki ISHIKAWA
1
,
Satoru TAKAHASHI
2
,
Isao HASHIMOTO
3
1仙北組合総合病院皮膚科
2仙北組合総合病院内科
3弘前大学医学部皮膚科教室
1Dermatology Clinic, Sembouk Kumiai General Hospital
2Medical Clinic, Semboku Kumiai General Hospital
3Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine
キーワード:
ワルファリンカリウム
,
皮膚壊死
,
プロテインC
Keyword:
ワルファリンカリウム
,
皮膚壊死
,
プロテインC
pp.31-33
発行日 1996年1月1日
Published Date 1996/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901740
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心筋梗塞治療の目的でワルファリンカリウム(ワーファリン®)投与中に陰嚢部に壊死を伴う潰瘍を生じた1例を報告した.患者は40歳,男性.ワルファリンカリウム投与約4ヵ月目に陰嚢部に小水疱が出現,しだいに増悪し,陰嚢全体に発赤,腫脹が認められ,小豆大から拇指頭大までの黒色壊死を伴った潰瘍となった.同剤を中止し,副腎皮質ホルモン製剤を投与したところ軽快した.同剤による合併症と考えられた.ワルファリンカリウムによる皮膚壊死については本邦ではまだ報告例をみないが,外国では,稀ではあるが重要な合併症として報告されている.同剤投与中の患者に壊死性潰瘍の出現をみた場合には本剤の関与も考慮に入れる必要があると思われ,若干の文献を紹介するとともに報告した.
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