Japanese
English
症例報告
ワルファリンカリウムによる皮膚壊死の1例
A case of warfarin-induced skin necrosis
塩味(中村) 由紀
1
,
福島 彩乃
1
,
藤尾 由美
1
,
木花 いづみ
1
Yuki SHIOMI(NAKAMURA)
1
,
Ayano FUKUSHIMA
1
,
Yumi FUJIO
1
,
Izumi KONOHANA
1
1平塚市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
キーワード:
ワルファリンカリウム
,
皮膚壊死
,
潰瘍
,
プロテインC
,
プロテインS
Keyword:
ワルファリンカリウム
,
皮膚壊死
,
潰瘍
,
プロテインC
,
プロテインS
pp.115-121
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205312
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要約 79歳,女性.心房細動,大動脈弁置換術後のため,5年前からワルファリンカリウム(ワーファリン®)を内服していた.当院受診1週間前より右下腿に疼痛を伴う潰瘍が出現し増大したため来院した.血液検査では抗核抗体40倍未満,PR3-ANCA,MPO-ANCA,クリオグロブリンは陰性でプロテインC活性とプロテインS活性の低下を認めた.生検病理組織像にて血栓の所見を認め,ワーファリン®中止による軽快,再開による症状再燃の経過からワーファリン®による皮膚壊死と診断した.最終的にワーファリン®は再開できず,エドキサバントシル酸塩水和物(リクシアナ®)内服にて皮膚壊死の再燃はなく,現在も瘢痕治癒を保っている.ワーファリン®投与下の皮膚潰瘍では長期投与後であっても起こりうるため,本疾患の可能性を疑う必要がある.
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