Japanese
English
症例報告
アポクリン母斑上に生じた基底細胞上皮腫の1例
A case of basal cell epithelioma developed in apocrine nevus
安部 正敏
1
,
永井 弥生
1
,
田村 敦志
1
,
宮地 良樹
1
Masatoshi ABE
1
,
Yayoi NAGAI
1
,
Atsushi TAMURA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
基底細胞上皮腫
,
アポクリン母斑
Keyword:
基底細胞上皮腫
,
アポクリン母斑
pp.1023-1025
発行日 1995年11月1日
Published Date 1995/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901704
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83歳,男性の左頭頂部に生じたアポクリン母斑上に発生したと考えられる基底細胞上皮腫の1例を報告した.初診3年前より左頭頂部に結節が出現し,次第に増大した.初診時,左頭頂部に22×20mmの湿潤した肉芽腫様の結節が認められたが,脂線母斑を思わせる局面は認められなかった.生検後基底細胞上皮腫の診断で切除,植皮術を施行した.組織学的には基底細胞上皮腫の下層に著明なアポクリン腺の増殖を認めたが,脂腺の増殖は認めなかったことより,自験例はアポクリン母斑を発生母地とした基底細胞上皮腫と考えた.アポクリン母斑は稀な疾患で,過去の報告では若干の概念の相違があり,類器官母斑の一つとしての疾患概念は確立されていない.本報告では自験例を紹介し,併せてアポクリン母斑について若干の文献的検討を加えた.
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