Japanese
English
症例報告
眼窩部に生じた破壊型基底細胞上皮腫
Epithelioma Terebrans Occurring on the Orbital Lesion
新藤 季佐
1
,
古川 雅祥
1
,
染田 幸子
1
,
谷口 彰治
1
,
濱田 稔夫
1
Kisa SHINDO
1
,
Masavoshi FURUKAWA
1
,
Yukiko SOMEDA
1
,
Shoii TANIGUCHI
1
,
Toshio HAMADA
1
1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
キーワード:
基底細胞上皮腫
,
破壊型
,
斑状強皮症型
,
硬化型
Keyword:
基底細胞上皮腫
,
破壊型
,
斑状強皮症型
,
硬化型
pp.847-850
発行日 1992年9月1日
Published Date 1992/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900724
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77歳,男.約7年前より右下眼瞼部に潰瘍が出現し,種々の治療を受けたが再発を繰り返していた.初診時には,右眼窩部に深い潰瘍が存在し,眼球および眼窩を構成する骨をも侵していた.組織学的には基底細胞上皮腫であり,眼球,骨組織をも含めた腫瘍摘出術,植皮術を行った.その後も潰瘍の増大が認められたため,放射線療法をも行ったが明らかな軽快をみることはなかった.本症例は,臨床的には骨,眼球の破壊を認めるなど深く大きな潰瘍を呈し,治療に抵抗し,再発を繰り返した点で,破壊型基底細胞上皮腫と考えられた.また,組織学的には斑状強皮症型に分類されると思われるが,臨床像をも考え合わせるとより深く浸潤する硬化型といったほうがよいのではないかと考えられた.
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