Japanese
English
症例報告
雪状炭酸圧抵療法後の太田母斑上に発生した基底細胞上皮腫の1例
A case of basal cell epithelioma occured on carbon dioxide-treated nevus of Ota
山田 朋子
1
,
臼井 恵太郎
1
,
狩野 俊幸
1
,
出光 俊郎
1
,
北島 康雄
1
,
矢尾板 英夫
1
,
権太 浩一
2
Tomoko YAMADA
1
,
Keitaro USUI
1
,
Toshiyuki KANO
1
,
Toshio DEMITSU
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
,
Hideo YAOITA
1
,
Koichi GONDA
2
1自治医科大学皮膚科学教室
2自治医科大学一般外科学教室
1Department of Dermatology, Jichi Medical School
2Department of General Surgery, Jichi Medical School
キーワード:
基底細胞上皮腫
,
太田母斑
,
雪状炭酸圧抵療法
Keyword:
基底細胞上皮腫
,
太田母斑
,
雪状炭酸圧抵療法
pp.403-406
発行日 1994年4月1日
Published Date 1994/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901176
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雪状炭酸圧抵療法施行25年後に太田母斑上に発生した基底細胞上皮腫の1例を報告した.症例は49歳女性.生下時より右三叉神経第1枝領域に灰青色の色素斑がみられ,20歳から23歳時にかけて某病院で雪状炭酸圧抵療法を受けた.治療による瘢痕形成はなかった.平成3年3月より右側頭部に母指頭大のびらん・潰瘍が出現し,徐々に拡大してきた.生検により基底細胞上皮腫(fibrosing type)と診断し,腫瘍全摘術を施行した.組織所見では表皮と連続性に腫瘍細胞が索状・胞巣状に浅層の筋膜まで浸潤していた.また,一部では角化性小嚢胞を形成しながら腫瘍細胞が増殖し,基底細胞上皮腫のkeratotic typeの所見を呈していた.腫瘍巣の周囲には膠原線維間に細長く突起を伸ばしたメラニンを含有する真皮メラノサイトが多数観察された.雪状炭酸処置後の太田母斑上に基底細胞上皮腫が発生した症例は稀であるため報告し,その発症機序について考察を試みた.
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