Japanese
English
症例報告
多形紅斑様皮疹が先行したChurg-Strauss症候群の1例
A case of Churg-Strauss syndrome with preceding erythema multiforme like eruption
笠井 弘子
1
,
大内 健嗣
1
,
森本 亜里
1
,
高江 雄二郎
1
,
石井 健
1
,
海老原 全
1
,
陳 科榮
2
,
天谷 雅行
1
Hiroko KASAI
1
,
Takeshi OUCHI
1
,
Ari MORIMOTO
1
,
Yujiro TAKAE
1
,
Ken ISHII
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
,
Ko-Ron CHEN
2
,
Masayuki AMAGAI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2東京都済生会中央病院皮膚科
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Department of Dermatology,Saiseikai Central Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
Churg-Strauss症候群
,
多形紅斑
,
紫斑
,
血管炎
Keyword:
Churg-Strauss症候群
,
多形紅斑
,
紫斑
,
血管炎
pp.900-904
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102442
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要約 57歳,男性.1年前より遷延する咳嗽,4か月前より皮疹が出現した.他院で,プレドニゾロン(PSL)内服による軽快と,中止後の症状再燃を繰り返していた.今回PSLの中止8日後,発熱,咳嗽,多形紅斑様皮疹,好酸球増多を認めた.紅斑消退後,下腿に紫斑,多発性単神経炎が出現した.病理組織学的所見は,紅斑では血管炎を欠く好酸球の浸潤,紫斑では好酸球浸潤を伴う白血球破砕性血管炎であった.Churg-Strauss症候群(CSS)と診断し,PSL1mg/kg/日投与開始後,速やかに諸症状は改善した.本邦での皮膚症状を呈するCSS報告例を集計した結果,血管炎の前駆症状として紅斑,膨疹,丘疹が挙げられた.本症例では,咳嗽・多形紅斑様皮疹が前駆症状として出現し,血管炎への移行が明瞭に観察された.CSSの典型的病理臨床像は血管炎を伴う紫斑であるが,前駆症状として多彩な皮疹を呈することが確認された.
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