Japanese
English
症例報告
多形紅斑様皮疹を呈し,非典型的な臨床経過をとった62歳男性の麻疹
A case of measles in a 62-year-old male with erythema multiforme-like eruption during an atypical clinical course
笠井 弘子
1
,
甲田 とも
1
,
木花 光
1
,
下田 浩輝
2
,
長谷川 毅
3
Hiroko KASAI
1
,
Tomo KOHTA
1
,
Akira KONOHANA
1
,
Hiroki SHIMODA
2
,
Takeshi HASEGAWA
3
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院内科
3長谷川クリニック
1Division of Dermatology,Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital,Yokohama,Japan
2Division of Internal Medicine,Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital,Yokohama,Japan
3Hasegawa Clinic,Yokohama,Japan
キーワード:
麻疹
,
多形紅斑
,
異型麻疹
,
修飾麻疹
Keyword:
麻疹
,
多形紅斑
,
異型麻疹
,
修飾麻疹
pp.1065-1070
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103123
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要約 62歳,男性.3日前より39℃の発熱と肩関節痛を認め,2日前より体幹,四肢に多形紅斑を思わせる浮腫性紅斑が散発した.初診時,眼球結膜充血,口腔粘膜疹,リンパ節腫脹はいずれもなかった.入院後,結膜充血,口腔内発赤,胸水貯留,全身浮腫が出現し,プレドニゾロン投与にて軽快した.年齢および臨床所見から,本例に対し,当初ウイルス感染症は積極的に疑わなかった.入院時の血液検査で肝機能障害がみられ,ウイルス感染症も疑い,抗体価の測定により麻疹と確定診断された.非典型的経過をとる麻疹には修飾麻疹と異型麻疹があり,麻疹ワクチン接種が関与するとされる.自験例では,予防接種歴はないと推測されたが,異型麻疹に近い臨床像をとった.多形紅斑の原因検索の重要性を再認識した.
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