Japanese
English
治療
過去10年間の慶應大学皮膚科における各種天疱瘡に対する治療の検討—特にステロイド内服以外の治療の有効性について
Treatment of various types of pemphigus in the Department of Dermatology, Keio University for 10 years: In particular, the effectiveness of treatment other than oral steroid therapy
橋本 隆
1
,
西川 武二
1
Takashi HASHIMOTO
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
天疱瘡
,
治療
,
ステロイド
,
血漿交換療法
,
DDS
Keyword:
天疱瘡
,
治療
,
ステロイド
,
血漿交換療法
,
DDS
pp.571-574
発行日 1995年6月1日
Published Date 1995/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901584
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過去10年間に当教室にて経験した種々の天疱瘡の治療とその効果を検討した.尋常性天疱瘡は全例ステロイド内服を要したのに対して,他の病型の天疱瘡ではステロイド内服以外の治療で寛解状態が得られる症例が認められた.尋常性天疱瘡以外の病型では,ステロイド内服からの離脱が比較的容易であった.また,ステロイド内服の補助療法としては血漿交換療法およびシクロスポリンA内服が有効であった.ステロイド内服療法以外の治療法としては,種々のサルファ剤が疱疹状天疱瘡およびIgA抗表皮細胞間抗体を示す症例に著効を示し,また一部の落葉状・紅斑性天疱瘡に有効であった.さらにミノサイクリン・ニコチン酸アミド内服の有効性が示唆された.今後,尋常性天疱瘡以外の天疱瘡患者に対してはステロイド内服以外の治療法を試みるべきであると考えられた.
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