Japanese
English
原著
慶應大学皮膚科における最近の皮膚T細胞性リンパ腫(菌状息肉症)の治療
Current treatments of cutaneous T-cell lymphoma in Keio University Hospital
菊池 新
1
,
仲 弥
1
,
清水 宏
1
,
早川 和人
1
,
西川 武二
1
Arata KIKUCHI
1
,
Wataru NAKA
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
皮膚T細胞性リンパ腫
,
菌状息肉症
,
治療
Keyword:
皮膚T細胞性リンパ腫
,
菌状息肉症
,
治療
pp.781-785
発行日 1995年9月1日
Published Date 1995/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901637
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慶應義塾大学医学部皮膚科学教室における最近の皮膚T細胞性リンパ腫(菌状息肉症)20例の治療成績をまとめ,病期ごとの治療指針につき考按を加えた.古典型菌状息肉症の症例では,紅斑期〜扁平浸潤期に対し光線療法(PUVA,UVA)が極めて有効な症例,無治療でもあまり変化のない症例があり,積極的な治療は行わずに経過観察を行った.また腫瘍期に至った菌状息肉症の症例では放射線照射,化学療法,BRM(ガンマインターフェロン)全身投与などを組み合わせて治療したが,成績は不良でいずれの症例も死の転帰をとった.Sézary症候群では,長い紅皮症の経過中はステロイド外用,光線療法などを施行し,リンパ節転移出現後は化学療法を用いたが,予後は不良であり,進行期の菌状息肉症とともに現在のところいかなる治療も無効と考えられた.古典型菌状息肉症,Sézary症候群に含まれないその他の皮膚T細胞性リンパ腫の症例のうち孤立性皮膚腫瘍など局所に限局するものでは手術療法,ガンマインターフェロン局注や放射線照射も極めて有用と考えられた.
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