Japanese
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特集 最近のトピックス1995 Clinical Dermatology 1995
III 新しし検査法と診断法
ヒト培養肥満細胞の解析
The analysis of the human cultured mast cells
五十嵐 康
1
,
宮地 良樹
1
,
斉藤 博久
2
,
中畑 龍俊
3
Yasushi IGARASHI
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
,
Hirohisa SAITO
2
,
Tatsutoshi NAKAHATA
3
1群馬大学医学部皮膚科学教室
2国立相模原病院小児科
3東京大学医科学研究所癌病態研究部門
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
2Department of Pediatrics, National Sagamihara Hospital
3The Institute of Medical Science, The University of Tokyo
キーワード:
アレルギー
,
肥満細胞
,
トリプテース
,
カイメース
,
ヒスタミン
Keyword:
アレルギー
,
肥満細胞
,
トリプテース
,
カイメース
,
ヒスタミン
pp.91-93
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901520
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最近開発されたヒト培養肥満細胞をメディエーター遊離の研究に利用した.まず細胞に含まれるプロテアーゼであるトリプテースとカイメースを免疫化学的に染色したところ,トリプテースはほぼ100%,カイメースは約25%の細胞に陽性に染まった.この細胞をIgEで感作後に抗IgE抗体で刺激し,上清中および細胞ペレット中のヒスタミン量をHPLCを用いてオルトフタルジアルデヒドによる螢光法で測定した.この細胞は1個あたり平均9pgのヒスタミンを含有しており,抗IgE抗体刺激により細胞全体の30〜40%のヒスタミンを遊離した.このヒト培養肥満細胞は現在のところサブタイプとしては皮膚よりも肺の肥満細胞に近いが,トリプテースやヒスタミンのような肥満細胞の持つ顆粒内物質を有し,今後の改良によって様々なアレルギー性疾患のモデルになる可能性を秘めている.
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