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特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
2 皮膚疾患の病態
皮膚炎症のリモデリングと線維化
Remodeling of the skin inflammation and fibrosis
安部 正敏
1
,
石川 治
1
,
黒沢 元博
1
,
天野 博雄
1
,
神戸 直智
1
,
五十嵐 康
1
,
宮地 良樹
1
,
木戸 博
2
Masatoshi ABE
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
,
Motohiro KUROSAWA
1
,
Hiroo AMANO
1
,
Naotomo KANBE
1
,
Yasushi IGARASHI
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
,
Hiroshi KIDO
2
1群馬大学医学部皮膚科学教室
2徳島大学酵素科学研究センター酵素化学部門
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
2Division of Enzyme Chemistry, Institute for Enzyme Research, The University of Tokushima
キーワード:
線維芽細胞
,
肥満細胞
,
共生培養
,
顆粒内メディエーター
,
グリコサミノグリカン
Keyword:
線維芽細胞
,
肥満細胞
,
共生培養
,
顆粒内メディエーター
,
グリコサミノグリカン
pp.50-56
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902509
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ケロイドや創傷治癒過程,初期の全身性強皮症の病変部位には肥満細胞が増加する.この事実は,アレルギー遅発反応後のリモデリングの場や線維化疾患病変部において,肥満細胞が線維芽細胞の増殖あるいは細胞外マトリックスの構築や機能に影響を及ぼす可能性を示唆するものと思われる.これらの機序の一側面を検討するため,ヒト培養線維芽細胞とヒト培養肥満細胞を用いた検討を行った.その結果,肥満細胞との共生培養において線維芽細胞の増殖能は亢進したが,I型コラーゲン産生量は不変であった.また,肥満細胞をIgEで刺激すると線維芽細胞の増殖能は著明に亢進した.他方,肥満細胞由来のメディエーターは線維芽細胞の増殖能,I型コラーゲン産生量および細胞外マトリックスに対し様々に作用した.以上より皮膚炎症のリモデリングと線維化疾患において,肥満細胞およびそのメディエーターが関与する可能性が示唆された.
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