Japanese
English
原著
陰嚢肉様膜平滑筋肉腫—免疫組織化学的所見および細胞増殖能による検討
A case of dartoic leiomyosarcoma:Immunohistochemical study and cell proliferating activity
野口 義久
1
,
原 弘之
1
,
涌井 史典
1
,
本庄 三知夫
1
,
森嶋 隆文
1
,
車谷 峰子
2
Yoshihisa NOGUCHI
1
,
Hiroyuki HARA
1
,
Fuminori WAKUI
1
,
Michio HONJO
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Mineko KURUMATANI
2
1日本大学医学部皮膚科学教室
2車谷皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
2Kurumatani Dermatology Clinic
キーワード:
陰嚢肉様膜平滑筋肉腫
,
免疫組織化学
,
argyrophilic nucleolar organizer regions
,
核DNA量
Keyword:
陰嚢肉様膜平滑筋肉腫
,
免疫組織化学
,
argyrophilic nucleolar organizer regions
,
核DNA量
pp.13-17
発行日 1995年1月1日
Published Date 1995/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901408
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40歳,男.10年前より陰嚢左側に自覚症を欠く皮内硬結が出現,徐々に増大し,自発痛,圧痛を伴うようになったため,近医にて2度切除を受けるも再発を繰り返した.直径32×30mm,弾性硬の自発痛,圧痛のある常色の腫瘤で,覆皮と癒着,下床と可動性である.組織学的に,真皮上層から下層,皮下組織にかけて腫瘍塊が認められ,辺縁では肉様膜と連続している.腫瘍細胞は紡錘形あるいはcigar shapedの核を有し,大小不同が目立ち,異型性が著明である.免疫組織学的に腫瘍細胞の胞体は抗HHF35抗体,抗α—smoothmuscle actin抗体および抗desmin抗体による染色で陽性,平滑筋腫瘍であると思われた.細胞増殖能の検索として,AgNORsと核DNA量の測定を対照の皮膚平滑筋腫3症例と比較して検討した結果,対照が良性所見であったのに対し,自験例はいずれも悪性所見であった.陰嚢平滑筋肉腫の本邦の報告は自験例が6例目であり,皮膚科からは初めてである.
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