Japanese
English
症例報告
Cushing症候群患者にみられたヒト乳頭腫ウイルス57型による特異な巨大疣贅
A giant wart induced by human papillomavirus type 57 in a patient with Cushing's syndrome
本多 章乃
1
,
原 弘之
1
,
本庄 三知夫
1
,
落合 豊子
1
,
森嶋 隆文
1
,
松倉 俊彦
2
Ayano HONDA
1
,
Hiroyuki HARA
1
,
Michio HONJO
1
,
Toyoko OCHIAI
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Toshihiko MATSUKURA
2
1日本大学医学部皮膚科学教室
2国立予防衛生研究所ウイルス第二部,腫瘍ウイルス室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
2Laboratory of Tumor Viruses, Department of Virology II, National Institute of Health
キーワード:
Cushing症候群
,
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)57型
,
疣贅
,
blot hybridization
Keyword:
Cushing症候群
,
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)57型
,
疣贅
,
blot hybridization
pp.907-910
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901998
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副腎皮質腺腫によるCushing症候群を合併していた34歳,男性の右第IV, V趾に発症した,ヒト乳頭腫ウイルス57型による巨大疣贅を報告した.患者の第V趾は爪甲が埋没し,健皮がみられないほど疣贅が増大していた.液体窒素療法等にも抵抗性であった.皮膚が軽度萎縮性で毛細血管が透見されたこと,高血圧が指摘されたことから諸検査を施行した.その結果,血中・尿中コルチゾールの上昇とACTHの低下を認め,腹部エコーにより右副腎腫瘍が発見され,Cushing症候群と診断した.右副腎摘出後,疣贅は急速に消褪傾向を示し,約3ヵ月半で完全に自然消褪した.自験例はコルチゾール過剰状態のために,疣贅が巨大化したものと推察される.難治性の疣贅に遭遇したときには,基礎疾患の存在を考慮する必要があると考えられた.
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