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第6回国際乾癬シンポジウム(会頭:Howard I.Maibach, M.D.& Henry H.Roenigk Jr.,M.D.)は,1994年7月20〜24日に米国シカゴ市のシェラトン・シカゴホテルで開催された.このシンポジウムは,1971年に米国スタンフォード大学において,夏休みを利用し大学のキャンパスと学生寄宿舎を使って,同大学のEugene M.Farber, Alvin J.Cox両教授により第1回大会が開催されたことに始まる.その後,5年に1度,4回までは同様の企画で開催され,日本からはもちろん,各国の研究者が一同に会し,各回とも熱心な討論とともに親交を深め,盛会であった.さらに,各回のプロシーディングも出版され,乾癬研究者には有益な参考文献として引用されることも多かった.Farber教授の退官により,第5回大会は危ぶまれていたが,Maibach教授を会頭に1991年,サンフランシスコで開催された.しかし,会場は市内のホテルとなり,不慣れのためかプログラムや学会運営においてやや問題が残された.とはいうものの,本シンポジウムの継続のためにもその開催実現の功績は乾癬を学ぶものにとっては感謝すべきものであった.しかし,第5回大会への日本からの参加は,日本研究皮膚科学会と会期が重なり20名前後と少々寂しかった.また,第5回のプロシーディングも発刊されなかった.このような経緯のもとに,第6回大会が会頭の一人であるRoenigk教授のNorthwesternUniversity Medical Schoolの後援により開催された.
学会は,4日間にわたり午前中はPlenary Session(9テーマ—病因,病態から治療まですべての分野を網羅)を中心に,午後はWorkshop(15テーマ),LunchonSymposium(レチノイド,シクロスポリン),Forum(乾癬患者),Free Communication(15題),Poster Session(29題),企業展示が行われ,最終日にはテーマ別にSummary Reportとして座長(9テーマ)から報告があった.参加者は約300人前後で,日本からは本シンポジウムの理事である田上八朗教授(東北大学)はじめ堀越貴志助教授(札幌医科大学),小野寺英夫先生(同大よりカナダ留学中),堀内令久先生(東北大学),中川秀己助教授,大槻マミ太郎先生(東京大学),筆者,菅井順一先生(東海大学),中山樹一郎助教授(九州大学)とサンド薬品,中外製薬,藤沢薬品,資生堂の学術担当者が出席したが,第5回大会を超える参加はなかった.
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