Japanese
English
治療
ステロイド剤を外用しない顔面のアトピー性皮膚炎の治療
Treatment of 225 cases of facial atopic dermatitis without topical application of corticosteroid
丸口 幸也
1
,
三輔 充
1
,
大郷 典子
1
,
土井 顕
Yukiya MARUGUCHI
1
,
Mitsuru MIWA
1
,
Noriko OUGOU
1
,
Akira DOI
1神戸市立中央市民病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kobe City General Hospital
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
ステロイド外用
,
抗アレルギー剤
,
抗ヒスタミン剤
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
ステロイド外用
,
抗アレルギー剤
,
抗ヒスタミン剤
pp.1231-1235
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901401
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顔面にステロイドを外用せずに,なおかつ保険診療の許す範囲内の通常の治療でどの程度顔面のアトピー性皮膚炎が治るかを225例について検討してみた.原則として抗アレルギー剤の連続服用を指示し,必要に応じて抗ヒスタミン剤,漢方薬の併用を行った.顔面の皮疹は治療を開始した患者の18%で消失したが,これらの治癒状態となった患者はすべて抗アレルギー剤を指示通り継続服用していた.テルフェナジン,アゼラスチン,オキサトミド,ケトチフェンのいずれでも有効例があり,これらの薬剤の効果に大きな差はないものと考えられた.なお治癒状態となった患者の85%は6カ月未満で皮疹が消失しており,また成人と小児の治癒率に差はほとんどなかった.したがって成人の顔面のアトピー性皮膚炎のすべてが必ずしも難治性ではなく,少なくとも6カ月間は顔面にステロイド剤を外用しないで加療してみるのも良い方法であると考えられる.
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