Japanese
English
症例報告
水疱性類天疱瘡に合併したノルウェー疥癬の1例
A case of Norwegian scabies accompanied by bullous pemphigoid
江崎 智香子
1
,
長谷川 核三
1
,
清島 真理子
1
,
森 俊二
1
Chikako ESAKI
1
,
Kakuzo HASEGAWA
1
,
Mariko SEISHIMA
1
,
Shunji MORI
1
1岐阜大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gifu University School of Medicine
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
ノルウェー疥癬
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
ノルウェー疥癬
pp.779-782
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901294
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84歳,女性.脳梗塞のため近医入院中,半年前より上肢に紅斑,水疱が出現した.ステロイド内服,外用を行うも一進一退であった.1カ月前より両上肢に瘙痒を伴う角質増殖が出現した.同部の生検組織において,表皮肥厚が見られ増殖した角質内に多数の疥癬虫が認められた.紅斑部生検組織は,免疫蛍光抗体法にて表皮真皮境界部にIgG,C3の沈着がみられた.間接法は320倍で陽性を示した.ステロイド内服にサラゾスルファピリジン坐剤を併用したところ水疱の新生がみられなくなった.1%γBHC軟膏と10%サリチル酸ワセリンの重層により厚い鱗屑が減少した.自験例は水疱性類天疱瘡を基礎疾患とし,ステロイド内服,外用により全身および局所の免疫能が低下し,加えて脳梗塞後の生活条件が不良であったため,疥癬を重症化させノルウェー疥癬に至ったと考えられた.
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