Japanese
English
原著
色素血管母斑症の2例
Two Cases of Phacomatosis Pigmentovascularis
海老原 全
1
,
桜岡 浩一
1
,
清水 宏
1
,
仲 弥
1
,
原田 敬之
1
Tamotsu EBIHARA
1
,
Koichi SAKURAOKA
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Wataru NAKA
1
,
Takashi HARADA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.1047-1053
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203997
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色素血管母斑症の2例を報告した.症例1は6カ月女児で,出生時より躯幹,下肢を中心に青色および赤色皮疹が混在して認められ,右小耳症の合併を認めた.症例2は1週女児で,出生時より顔面を含むほぼ全身に青色および赤色皮疹が混在して認められ,また左上下肢の肥大を認め,Klippel-Weber症候群の合併が考えられた.病理組織学的に症例1,2とも赤色皮疹部は真皮浅層血管の軽度拡張,壁の軽度肥厚を示し,青色皮疹部では真皮にdermal melanocyteが散在性に認められた.さらに症例1では電顕的に検討を行い,真皮のdermal melanocyteおよび幼若な血管の増生を確認した,以上の所見より2例とも高野-Kruger-土肥型,長谷川・安原分類のⅡbに相当すると考えられた.また色素血管母斑症の本邦報告例を検討し,分類および成因について若干の考察を加えた.
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