Japanese
English
原著
全身型金属アレルギー—食事制限の有効性について
Systemic Metal Allergy: Successful Therapy by Low Metal Diet
足立 厚子
1
,
堀川 達弥
1
Atsuko ADACHI
1
,
Tatsuya HORIKAWA
1
1神戸大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
金属アレルギー
,
クロモグリク酸ナトリウム
,
食事制限
,
ニッケル
,
クロム
Keyword:
金属アレルギー
,
クロモグリク酸ナトリウム
,
食事制限
,
ニッケル
,
クロム
pp.883-889
発行日 1992年10月1日
Published Date 1992/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900732
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
全身型金属アレルギーの2例を報告した.症例1は数十年来汎発性湿疹の診断を受けていた72歳男性.症例2は20年前よりアトピー性皮膚炎の診断を受けていた29歳女性.症例1はニッケル(Ni)およびヨード制限食にて,症例2はNiおよびクロム(Cr)制限食にて皮疹の著明な軽快を認めた.症例1では硫酸ニッケルおよびヨウ化カリウム負荷試験陽性であった.自験例では紅色丘疹が手掌・腋窩など汗をかきやすい部位に多く密集し,発汗にて増悪するという特徴的臨床像を呈し,病理組織像では真皮内汗管を中心とする密な単核細胞の浸潤を認めた.Niが汗器官で濃縮され排泄されるという体内動態を考え合わせると,全身型Niアレルギーにおける汗の重要性が示唆された.金属アレルゲンの制限食の指導を行い経過良好であったが,クロモグリク酸ナトリウムの併用にてより一層の効果を認めた.また金属キレート剤としてミノサイクリンを使用したところ有効であった.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.