Japanese
English
症例報告
ステロイド投与で誘発されたと考えられる壊疱性丘疹状結核疹の1例
A Case of Papulonecrotic Tuberculid Probably Induced by Corticosteroid
佐瀬 裕
1
,
山崎 啓二
1
,
星 智
2
Hiroshi SASE
1
,
Keiji YAMAZAKI
1
,
Satoshi HOSHI
2
1竹田綜合病院皮膚科
2竹田綜合病院内科
1Department of Dermatology, Takeda General Hospital
2Department of Internal Medicine, Takeda General Hospital
キーワード:
ステロイド
,
結核疹
,
肺結核
,
PSS
Keyword:
ステロイド
,
結核疹
,
肺結核
,
PSS
pp.997-999
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901029
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17歳,女性.9歳から進行性全身性硬化症(PSS)として治療を受けていた.PSSの増悪に対して少量のステロイドを投与され,その約20日後から四肢に皮疹を生じた.皮疹は一部に痂皮を伴う膿胞および丘疹であった.生検では真皮上層に結核様肉芽腫を認めた.その後肺炎の症状が出現したが喀痰からは結核菌は証明されなかった.しかし結核疹があったため行われた胃液培養で結核菌陽性となり,肺結核として抗結核剤の投与を受け軽快した.自験例ではステロイド投与により発症した肺結核の先行症状として壊疽性丘疹状結核疹が生じたものと推測される.ステロイド投与により不顕性の結核が増悪し顕性化することは知られているが,結核アレルギーによるとされる結核疹がステロイド使用により生じるのはまれである.患者数の減少とともにあまり注意されなくなってきている現在でも,結核はステロイド使用時には忘れてはならない疾患と考えられる.
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