Japanese
English
原著
ケラトアカントーマから扁平上皮癌に移行した2症例の検討
Study of Two Cases with Squamous Cell Carcinoma Developed from Keratoacanthoma
秋山 真志
1
,
和泉 達也
1
,
海老原 全
1
,
杉浦 丹
1
Masashi AKIYAMA
1
,
Tatsuya IZUMI
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
,
Makoto SUGIURA
1
1清水市立病院皮膚科
1Department of Dermatology, Shimizu City Hospital
キーワード:
ケラトアカントーマ
,
扁平上皮癌
Keyword:
ケラトアカントーマ
,
扁平上皮癌
pp.1087-1093
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900772
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ケラトアカントーマは,病理組織学的に扁平上皮癌に類似の悪性像を示すことが多いが,一般には自然退縮する良性の腫瘍と考えられている.最近我々は79歳,男性の左耳介,および,78歳,男性の左頬部に生じたケラトアカントーマで,経過中に扁平上皮癌へ移行した症例を経験した.近年,欧米においては,扁平上皮癌へ移行したケラトアカントーマの症例が,その数は多くないものの報告されている.しかし,本邦では未だケラトアカントーマよりの癌化の報告はみられず,自験例が最初の報告である.既報告例および自験例を検討した結果,放射線照射あるいは抗癌剤投与の後の悪性変化例が目立った.ケラトアカントーマは,その確率は低いものの癌化する可能性を有する腫瘍であるという認識をもって,治療あるいは経過観察に当たるべきであると考えられた.
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