Japanese
English
特集 臨床皮膚科—最近のトピックス
Clinical Dermatology 1989
II新しい検査法と治療法
先天性表皮水疱症を診断するための新しいモノクローナル抗体
Novel monoclonal antibodies for the diagnosis of epidermolysis bullosa
清水 宏
1
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Robin AJ Eady
1
1ロンドン大学セントトーマス病院国立皮膚病研究所細胞病理学部
1Department of Cell Pathology, Institute of Dermatology, St. Thomas' Hospital, University of London
キーワード:
先天性表皮水疱症
,
GB3
,
LH7.2
,
出生前胎児診断
,
基底膜モノクローナル抗体
Keyword:
先天性表皮水疱症
,
GB3
,
LH7.2
,
出生前胎児診断
,
基底膜モノクローナル抗体
pp.634-637
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204134
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先天性表皮水疱症(EB)の診断に有用であることが確認された表皮基底膜に対する2種のモノクローナル抗体(GB3,LH7.2)について概説した.GB3抗原およびLH7.2抗原は両者とも正常ヒト皮膚基底膜の構成タンパクである.GB3抗原は接合部型EBのうち致死型(Herlitz型)のみで欠如しており,他の型のEBでは正常に存在していた.同様にLH7.2は汎発性劣性栄養障害型EBのみで欠如していることが確認された.EBの診断および病型分類はこれまで臨床所見と電顕所見のみにより行わざるを得ないことが多かったが,これらのモノクローナル抗体を応用することにより,より客観的にしかも迅速にEBの最重症型を正確に診断することが可能となった.小さな生検皮膚を用いて行わざるを得ない出生前胎児診断では,これらのモノクローナル抗体は特に有用であった.
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