Japanese
English
原著
IgA腎症患者皮膚の免疫組織学的検索
An Immunopathological Study of the Skin of Patients with IgA Nephropathy
三橋 善比古
1
,
千代谷 成史
1
,
高橋 正明
1
,
山辺 英彰
2
,
永田 紀四郎
3
Yosihiko MITSUHASHI
1
,
Shigehito CHIYOYA
1
,
Masaaki TAKAHASHI
1
,
Hideaki YAMABE
2
,
Kishiroh NAGATA
3
1弘前大学医学部皮膚科学教室
2弘前大学医学部第2内科学教室
3弘前大学医学部小児科学教室
1Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine
22nd Department of Internal Medicine, Hirosaki University
3Department of Pediatrics, Hirosaki University
キーワード:
IgA腎症
,
アナフィラクトイド紫斑
,
免疫組織
Keyword:
IgA腎症
,
アナフィラクトイド紫斑
,
免疫組織
pp.23-26
発行日 1992年1月1日
Published Date 1992/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900522
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
IgA腎症患者の皮膚への免疫グロブリン沈着の有無を免疫組織学的に検索した.内科および小児科で,腎生検を行って診断が確定された15例のIgA腎症患者を対象とした.原則として,小児は下腿から,成人は肩と下腿の2カ所から生検を行った.全例臨床的に紫斑などの皮疹はみられず,生検皮膚の病理組織学的検索でも異常は見られなかった.免疫組織学的にも成人の1例の肩の血管壁で軽度のIgAとIgMの沈着がみられた以外は陰性であった.比較のために検索したアナフィラクトイド紫斑では8例中6例の真皮上層の血管壁にIgA and/or C3の顆粒状の沈着が見られた.IgA腎症とアナフィラクトイド紫斑は同一スペクトラムに含まれる疾患と考えられているが,皮膚血管へのIgAの沈着態度は異なり,このことはIgA腎症では通常皮疹を欠くことの理由になりうると考えた.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.