Japanese
English
特集 感染症と腎疾患
糸球体・尿細管間質疾患
感染症とIgA腎症
Infection and IgA nephropathy
青木 良輔
1
,
二瓶 義人
1
,
鈴木 祐介
1
AOKI Ryousuke
1
,
NIHEI Yoshihito
1
,
SUZUKI Yusuke
1
1順天堂大学大学院医学研究科腎臓内科学講座
キーワード:
IgA腎症
,
Gd-IgA1
,
TLRs
,
APRIL
,
BAFF
Keyword:
IgA腎症
,
Gd-IgA1
,
TLRs
,
APRIL
,
BAFF
pp.769-774
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001357
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
免疫グロブリンA(immunoglobulin A:IgA)腎症は世界で最も多い原発性糸球体腎炎であり,未治療の場合,発症から15~20年の経過で,約4割の患者が末期腎不全(end-stage kidney disease:ESKD)に進行する予後不良の疾患である。移植腎での再発が多いこと,またIgA腎症以外でESKDに陥った患者にIgA沈着のある腎を移植すると沈着IgAは消失すること,さらに本症患者で骨髄移植を行った症例でも沈着IgAが消失することから,IgA腎症の病因の本体は腎固有細胞ではなく,全身のIgA免疫系にあることが示酸されている1)。さらに近年の研究で,本症患者の腎糸球体に沈着するIgAは,そのヒンジ部O型糖鎖にガラクトース修飾が欠損したgalactose deficient IgA1(Gd-IgA1)であることが明らかになっている。しかしGd-IgA1だけではIgA腎症の腎炎惹起の病態の説明ができないこともわかり,Gd-IgA1は,それ自身を抗原として認識する免疫グロブリンと免疫複合体(Gd-IgA1/immune-complex:IC)を形成し,糸球体に沈着し腎炎を惹起すると考えられている2,3)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.