連載 皮膚病の現状と未来・1【新連載】
ヒト乳頭腫ウイルス感染症(その1)
川島 真
1
1東京女子医科大学皮膚科
pp.16
発行日 1992年1月1日
Published Date 1992/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900520
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今回から数回にわたって,「皮膚病の現状と未来」と題してコラムを担当させていただくこととなった.無論,皮膚病全体についてその現状と未来を語るのは荷が重すぎる.それ故,筆者が日頃多少とも興味を抱いている疾患にかたよってしまうことはお許し願いたい.
20世紀後半の生物学あるいは医学の進展の大きな起動力となった学問の一つは分子生物学である.DNAの構造解析からさらには遺伝のメカニズムという,いわば神秘のヴェールに包まれていた世界を我々の手の届くところまで近づけてくれた.皮膚病の研究においても多大な恩恵をもたらしたことは周知のごとくであるが,‘イボ’の分野もその最たる例の一つである.
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