Japanese
English
症例報告
糖尿病の食事療法のみで平坦化した発疹性黄色腫の1例
A Case of Eruptive Xanthoma whose Eruptions were Flattened only by the Diet Therapy of Diabetes Mellitus
溝口 夕美
1
,
當間 由子
1
,
徳橋 和子
1
,
落合 豊子
1
,
鈴木 啓之
1
,
森嶋 隆文
1
Yumi MIZOGUCHI
1
,
Yoshiko TOMA
1
,
Kazuko TOKUHASHI
1
,
Toyoko OCHIAI
1
,
Hiroyuki SUZUKI
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
キーワード:
発疹性黄色腫
,
インスリン非依存性糖尿病
,
高トリグリセライド血症
,
食事療法
Keyword:
発疹性黄色腫
,
インスリン非依存性糖尿病
,
高トリグリセライド血症
,
食事療法
pp.791-794
発行日 1991年9月1日
Published Date 1991/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900446
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初診の4カ月前より臀部,四肢に自覚症のない黄色〜淡紅色の小丘疹が出現し,糖尿病,V型高脂血症を伴った発疹性黄色腫の15歳,女子例を報告した.患者は小児期より過食,肥満がみられ,12歳時糖尿病,13歳時肝機能障害を指摘されたが,放置していた.家族歴では母方の祖母に糖尿病を認める.身長163cm,体重85kg.血清は乳び,トリグリセライド(TG)6230mg/dl,総コレステロール(chol.)682mg/dlと高値を示し,リポ蛋白分画ではpre—β21.5%,アポリポ蛋白はBが145mg/dl,C—2が17.2,C−3が49.8で,Fredricksonらの分類でⅤ型高脂血症に相当した.治療は糖尿病に対し,1日1400kcalの食事療法のみを行った.2週間後,/血糖値の低下に伴い,TG450,総chol.207まで低下,皮疹も平坦化した.今まで報告された発疹性黄色腫の治療につき文献的に検討し,さらに皮疹の発症機序と消褪について論述した.
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