Japanese
English
原著
紅斑性天疱瘡—症例報告およびブロッキング免疫蛍光法を用いた抗原特異性の検討
Pemphigus Erythematosus: Report of a Case and Distinguishing the Antigen Specificities by Blocking Immuno-fluorescence Method
白 彦平
1,2
,
池田 志斈
2
,
森岡 眞治
2
,
小川 秀興
2
Yan-ping BAY
1,2
,
Shigaku IKEDA
2
,
Shinji MORIOKA
2
,
Hideoki OGAWA
2
1中日友好病院皮膚科
2順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Chinese-Japanese Friendship Hospital
2Department of Dermatology, Juntendo University, School of Medicine
キーワード:
紅斑性天疱瘡
,
免疫蛍光阻止試験
,
抗原特異性
Keyword:
紅斑性天疱瘡
,
免疫蛍光阻止試験
,
抗原特異性
pp.645-648
発行日 1991年8月1日
Published Date 1991/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900418
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
紅斑性天疱瘡の1典型例を報告するとともに,本症例において検出された抗表皮細胞膜(間)抗体が,尋常性あるいは落葉状天疱瘡と同じ抗原に結合し得るかどうか,ブロッキング免疫蛍光法を用いて検討した.その結果,1)牛鼻皮膚の凍結切片に前もって落葉状または紅斑性天疱瘡血清を反応させた場合では,次に反応させたビオチン標識落葉状天疱瘡抗体の結合はほぼ阻害された.2)一方尋常性天疱瘡血清で前処理した場合では,ビオチン標識落葉状天疱瘡抗体の結合は多少抑制されたものの,なお明らかな結合が認められた.これらの結果は,紅斑性天疱瘡抗原は落葉状天疱瘡抗原と類似の抗原性を持ち,尋常性天疱瘡抗原とは異なること,すなわち紅斑性天疱瘡は落葉状天疱瘡と同じ疾患群であるとの従来の考えを免疫蛍光法にて新たに裏づける知見と思われた.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.