Japanese
English
原著
皮膚B細胞性リンパ腫の治療—自験7例の症例報告および本邦報告例70例の治療の検討
Treatment of primary cutaneous B-cell lymphoma
白鳥 麻紀
1
,
菊池 新
1
,
西川 武二
1
,
松本 博子
2
,
杉浦 丹
2
,
岡本 真一郎
3
,
池田 康夫
3
Maki SHIRATORI
1
,
Arata KIKUCHI
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
,
Hiroko MATSUMOTO
2
,
Makoto SUGIURA
2
,
Shin-ichirou OKAMOTO
3
,
Yasuo IKEDA
3
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2清水市立病院皮膚科
3慶應義塾大学医学部血液内科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Department of Dermatology, Shimizu City Hospital
3Department of Hematology, Keio University School of Medicine
キーワード:
皮膚B細胞性リンパ腫
Keyword:
皮膚B細胞性リンパ腫
pp.679-683
発行日 1996年8月1日
Published Date 1996/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901940
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当科で経験した皮膚B細胞性リンパ腫7例を報告するとともに,本邦の過去15年間の報告例70例の治療および予後につき若干の考按を加えた.自験7例は臨床的には多発性または単発性の皮下腫瘤,病理組織学的にdiffuse typeを呈するものが多く,全例でIgH鎖に遺伝子再構成を認めた.治療は,化学療法単独,または化学療法後に放射線療法を施行した.本邦報告例では欧米に比し臨床的に多発性腫瘤を呈する症例が多く,病理組織学的にdiffuse typeの割合が高く,さらに他臓器病変を早期に合併する傾向があるため,早期でも化学療法を第1選択とすべきと考えられた.皮膚B細胞性リンパ腫は皮膚T細胞性リンパ腫とはその生物学的特性が若干異なるため,治療法も独自に検討する必要があると考えられた.
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