Japanese
English
症例報告
手掌にも皮疹をみた顔面播種状粟粒性狼瘡の1例
A Case of Lupus Miliaris Disseminatus Faciei
河野 正恒
1
,
原田 晴美
1
,
高田 善雄
1
,
斉藤 隆三
1
,
蛇沢 晶
2
Masatsune KAWANO
1
,
Harumi HARADA
1
,
Yoshio TAKADA
1
,
Ryuzoh SAITOH
1
,
Akira HEBISAWA
2
1聖路加国際病院皮膚科
2聖路加国際病院病理学科
1Division of Dermatology, St. Lukes' International Hospital
2Division of Pathology, St. Lukes'International Hospital
キーワード:
顔面播種状粟粒性狼瘡
Keyword:
顔面播種状粟粒性狼瘡
pp.1021-1024
発行日 1990年9月1日
Published Date 1990/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900196
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48歳,女性の顔面播種状粟粒性狼瘡と考えた患者で,顔面以外に手掌,指腹にも皮疹がみられた症例を経験した.組織検査にて,顔面の皮疹より抗酸菌と思われる菌体様物質がみられるとともに手掌の皮疹より壊死部の中心に血管の残存が認められた.以上の所見より次のように考えた.病理組織学的に壊死部の中央に血管の残存があり,血管を介して病変が起こっていると思われる.そして1個ではあるが顔面の皮疹に抗酸菌と考えられる菌体が認められたことにより,これが原因菌とすれば汎発したことも説明できる,しかし現在のところ菌の同定はできず,また結核を示唆する所見もないことより,人型結核菌以外の何らかの抗酸菌が関与している可能性もあろう.
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