これすぽんでんす
IgA抗表皮細胞間抗体を有する疾患群の分類について—水元氏らの論文を読んで
橋本 隆
1
,
西川 武二
1
1慶應義塾大学皮膚科学教室
pp.460
発行日 1990年5月1日
Published Date 1990/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900086
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本誌44巻2号(103-107頁)に掲載された水元氏らの「角層下膿疱性皮膚症—特にIgA天疱瘡との関係について—」を興味深く拝見致しました.
水元氏らの述べているように,IgA抗表皮細胞間(ICS)抗体を有する症例は大きく2型に分けられると思われます.一つは角層下膿疱症(SPD)様臨床所見を呈し,組織学的にも角層下膿疱を示す例(SPD型)で,Tagamiら1)および私ども2)の報告例がこれに当たります.他方は,臨床的に異型な膿疱性皮疹を呈し,組織学的には表皮全層にわたって大小の膿瘍形成を認める例(Intraepidermal neutrophilic型)で,Huffら3)の例が代表的であり,最近,私どもも同様の臨床・組織像を示す小児例を経験しています(第53回日本皮膚科学会東部支部学術大会発表,論文準備中).Wallachら4)の表皮上層にびまん性にIgAの沈着する型は症例も少なく,今のところ,いかに分類するかは不明と思われます.
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