Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990
I 最近話題の疾患とその病態
類天疱瘡—ヒト抗表皮基底膜部単クローン抗体による解析
Pemphigoid—Analyses of anti-basement membrane zone antibodies by use of human monoclonal antibodies
杉 俊之
1
,
橋本 隆
1
Toshiyuki SUGI
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
類天疱瘡
,
抗基底膜抗体
,
ヒト単クローン抗体
,
自己抗原
,
免疫ブロット法
Keyword:
類天疱瘡
,
抗基底膜抗体
,
ヒト単クローン抗体
,
自己抗原
,
免疫ブロット法
pp.499-503
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900093
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我々は類天疱瘡(BP)患者の末梢血リンパ球を用いて,EBウイルストランスフォーム法により3種のヒトIgG抗基底膜部(BMZ)単クローン抗体(MAb)の作成に成功した.これらの抗体(5A,5E,10D)を用いた免疫蛍光阻止試験では,5Aと5Eは同一もしくは極めて近接したエピトープを認識し,10Dはこれらとは異なるものであることが判明した.30例のBP血清を使用した阻止試験では,18例が10Dの反応を,17例が5Eの反応を阻止したが,9例はどちらの反応も阻止しなかった.免疫ブロット法による解析では,5Aと5Eは230KDの蛋白バンドと反応したが,10Dは特異的反応を示さず,また30例のBP血清中22例は5A,5Eと同様に230KDの蛋白と反応した.以上の結果は,BP患者血清中の抗BMZ抗体の多様性を示すものであった.今回作成されたヒトモノクロ—ナル抗体は,BPの発症機序を解明するうえで極めて有用であり,今後さまざまな領域での応用が望まれる.
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