Japanese
English
症例報告
新生児皮下脂肪壊死症の1例
A Case of Subcutaneous Fat Necrosis of the Newborn
佐々木 英也
1
,
永代 絹男
1
,
池田 重雄
1
Hideya SASAKI
1
,
Kinuo NAGAYO
1
,
Shigeo IKEDA
1
1埼玉医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Saitama Medical School
キーワード:
新生児皮下脂肪壊死症
,
ガスクロマトグラフィー
,
脂肪酸分析
Keyword:
新生児皮下脂肪壊死症
,
ガスクロマトグラフィー
,
脂肪酸分析
pp.237-240
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900047
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34歳の母親から,吸引分娩により仮死状態で生まれた女児にみられた新生児皮下脂肪壊死症を報告した.生後11日目から,頸部,顎下部,耳下部に碗豆大から直径約3cm大の弾性硬の皮下硬結が多発し,組織学的には,リンパ球,組織球,巨細胞の浸潤がみられ,変性した脂肪細胞内に放射状に配列する針状の空隙が認められた.我々は病巣部の脂肪組織の脂肪酸分析をガスクロマトグラフィーを用いて行い,飽和脂肪酸の上昇,なかでもミリスチン酸の増加を認めた.また患児は分娩時に産道内で頸部を圧迫された既往があり本症例の発症原因として,飽和脂肪酸の上昇とこの分娩時における圧迫が重要な因子となっていると考えられた.
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