Japanese
English
原著
エックリン汗器官癌の2例—本邦報告例の統計的考察
Two Cases of Eccrine Sweat Apparatus Carcinoma
荒川 謙三
1
,
小玉 肇
1
Kenzo ARAKAWA
1
,
Hajime KODAMA
1
1岡山大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
pp.727-733
発行日 1980年8月1日
Published Date 1980/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202277
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73歳男性の腹部に生じた潰瘍面を呈するeccrine porocarcinoma(EPC)の1例と,67歳男性の上背部に生じた広基有茎性の腫瘤を形成したeccrine ductocarcinoma(EDC)の例を報告した,今までに本邦で報告されたエックリン汗器官癌のうち表皮内汗管または真皮内汗管由来であることがほぼ明らかにされている21例に,自験例を加えた計23例について発生起源の違いによる相違点を考察した.その結果,性別,腫瘍発生年齢,転移面において差が認められた.すなわちEPCは性差なく比較的高齢になってより発生するが,EDCは男性に多く,比較的若年のときから腫瘍発生を見る.所属リンパ節への転移は両者ともに高率に認められるが,EDCはそれ以上の拡大が比較的進行しにくいという所見を得た.
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