Japanese
English
原著
エックリン汗腺癌の電顕学的観察—移行部分化を示す1亜型
Ultrastructure of an Eccrine Adenocarcinoma--A Subtype Showing Differentiation to the Transitional Portion
内山 紀子
1
,
進藤 泰子
1
,
望月 正子
1
,
日戸 平太
1
Noriko UCHIYAMA
1
,
Yasuko SHINDO
1
,
Masako MOCHIZUKI
1
,
Heita NITTO
1
1信州大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, The Faculty of Medicine, Shinshu University
キーワード:
エックリン汗腺癌
Keyword:
エックリン汗腺癌
pp.1085-1092
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204219
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48歳,男性の肘頭に15年間存在した結節から発生し,リンパ腺,肺,その他に転移したエックリン汗腺癌の1例を記載した.この汗腺癌は腺管構造のほか,印環型細胞と間質のヒアリン化に組織学的特徴があった.電顕的ならびに組織化学的検索により,腺管面下に,汗管・分泌部間の移行上皮に特異的な細胞接合装置—トンボ翼構造と,また印環型細胞の胞体内腔にはシアロムチンの分泌像が,それぞれ見いだされた.腫瘍細胞は移行部上皮と粘液細胞への分化を指向するものであり,エックリン腺癌の亜型の一つと考えられた.良性エックリン腫瘍の悪性化について言及した.
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