Japanese
English
原著
分泌部への分化を示したエクリン汗器官腫瘍の1例
A Case of Tumor with Differentiation toward Secretory Cells of Eccrine Sweat Glands
佐藤 貴浩
1
,
勝俣 道夫
1
Takahiro SATO
1
,
Michio KATSUMATA
1
1東京医科歯科大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.219-223
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203851
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60歳,男性.10年前に気づいた前胸部の圧痛のある淡紫紅色の結節.組織学的には大型の細胞と小型の細胞からなり,大型の細胞はところどころで管腔様構造を形成し,内腔に好酸性無構造物質を認めた.この物質はPAS染色陽性およびCEA陽性を呈した.電顕的には管腔様構造は明調な細胞と暗調な細胞の2種類からなり,内腔に認めた高電子密度の針状結晶の集塊が特徴的であった.主に暗調な細胞の内腔側に分泌顆粒様物質を認めたため,自験例を分泌部への分化を示したエクリン汗器官腫瘍と診断した.しかし光顕的には大型の細胞と小型の細胞の配列が不規則であり,Kersting & Helwigのいうeccrine spiradenomaとはやや異なるものと思われた.
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