Japanese
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症例報告
アプレミラスト内服が奏効したDown症に合併した蛇行性穿孔性弾性線維症の1例
A case of elastosis perforans serpiginosa associated with Down syndrome successfully treated with oral apremilast
大國谷 彰人
1
,
重原 庸哉
1
,
宮川 秀美
1
,
加藤 峰幸
1
Akihito OHKUNITANI
1
,
Yohya SHIGEHARA
1
,
Hidemi MIYAGAWA
1
,
Miyuki KATO
1
1東京都立多摩総合医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Tokyo Metropolitan Tama Medical Center, Fuchu, Japan
キーワード:
蛇行性穿孔性弾性線維症
,
Down症
,
アプレミラスト
Keyword:
蛇行性穿孔性弾性線維症
,
Down症
,
アプレミラスト
pp.921-926
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207434
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要約 24歳,男性.Down症.初診半年前から四肢伸側に無症候性皮疹が出現し,無治療で改善に乏しいため受診した.初診時,中心臍窩を伴う赤褐色調の角化性丘疹が四肢伸側に多発,環状に配列し,蛇行状の分布を呈した.ダーモスコピー像で紅斑と角栓を伴う角化性丘疹が中央の網目状の白色領域を取り囲むような外観を認めた.病理組織学的に変性した弾性線維の経表皮排出像を認め,Down症に合併した蛇行性穿孔性弾性線維症(elastosis perforans serpiginosa : EPS)と診断した.活性型ビタミンD3軟膏等の外用により個々の皮疹の拡大はやや緩徐になったが消退までには至らず.外用中止後にアプレミラスト内服を行ったところ皮疹の消退を認めたため,アプレミラストの抗炎症作用および角化の改善作用がEPSの皮疹の消退に寄与した可能性を考えた.皮疹が広範囲で外用が難しい症例や外用治療に反応が乏しい症例などには,アプレミラスト内服がEPSの治療選択肢の1つとなる可能性がある.
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