Japanese
English
症例報告
後天性全身性無汗症を契機に診断された中枢性尿崩症の1例
A case of diabetes insipidus diagnosed from the development of acquired systemic anhidrosis
内山 明彦
1
,
田子 修
1
,
茂木 精一郎
1
,
服部 友保
1
,
永井 弥生
1
,
高橋 舞
2
,
荒川 浩一
2
,
石川 治
1
Akihiko UCHIYAMA
1
,
Osamu TAGO
1
,
Motegi SEI-ICHIRO
1
,
Tomoyasu HATTORI
1
,
Yayoi NAGAI
1
,
Mai TAKAHASHI
2
,
Hirokazu ARAKAWA
2
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
2群馬大学大学院医学系研究科小児科学
1Department of Dermatology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
2Department of Pediatrics, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
全身性無汗症
,
中枢性尿崩症
,
発汗試験
Keyword:
全身性無汗症
,
中枢性尿崩症
,
発汗試験
pp.681-684
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103738
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要約 14歳,男児.2011年1月頃より口渇,多飲,多尿を自覚,次第に運動時のうつ熱感,発汗低下も伴うようになった.無汗症が疑われ同年5月に当科を紹介された.初診時,全身の皮膚は乾燥していた.温熱試験では全身に発汗がなく,塩酸ピロカルピン試験でも発汗は誘発されなかった.皮膚生検で汗腺の形態異常や汗腺周囲の炎症細胞浸潤はなかった.1日3~4Lの多尿があり,血漿浸透圧の上昇,高Na血症がみられ,バゾプレシン負荷試験陽性で尿浸透圧の上昇があり中枢性尿崩症と診断された.デスモプレシン点鼻治療開始後より尿崩症症状は徐々に改善,1か月後の温熱負荷試験では全身に発汗がみられた.後天性無汗症の原因検索において,まれではあるが尿崩症も念頭に置くべきであると考えられた.
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