Derm.2024
自律的に動くということ
佐藤 篤子
1
1自治医科大学医学部皮膚科学
pp.166
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207301
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先日,参加した講演会で,コーチングの手法で地域病院の働き方改革を成功された先生のお話を聞く機会があった.コーチングとは,人や組織の目標達成のための行動支援方法の1つで,そのお話では,医療機関でコーチングが成功した事例等が紹介されていた.具体的には,あらゆる職種のヒアリングを行い,対話を重ねることで多くのフィードバックをもらって反映し,業務分解と棚卸しによる思い切った業務の効率化などが可能になって病院の経営も上昇したそうで(だいぶ省略していますが),これは面白いと思った.病院という組織の中においてサーバント(=支援型,民主的なという意味)リーダーシップにより,各個人の自律的な活動が行われ,その結果,病院全体の改革促進が可能になるという.後日,何かの記事で,最近の若い世代は受動的になりがちなのでつい,いろいろ指示してしまうが,もしかして上の人間が教えすぎることで彼らが能動的になるチャンスを奪っているのではないか,という文章に目が留まり,例の講演会の内容をふと思い出した.一人一人が,受け身でなく,自ら考えて動くことが,結果的に自分も周囲の環境にも影響し,仕事効率が上がり,相乗効果が得られ,病院全体が良くなる未来につながるのかもしれない.自律的に動くことは個人としても組織としても得られる効果は大きそうである.
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