Japanese
English
症例報告
悪性黒色腫肺転移と同時期に妊娠が判明した1例
A case of pulmonary metastatic malignant melanoma concomitant with pregnancy
松本 紗也加
1
,
水橋 覚
1
,
栗山 春香
1
,
木村 俊寛
1
,
宮下 梓
1
,
福島 聡
1
Sayaka MATSUMOTO
1
,
Satoru MIZUHASHI
1
,
Haruka KURIYAMA
1
,
Toshihiro KIMURA
1
,
Azusa MIYASHITA
1
,
Satoshi FUKUSHIMA
1
1熊本大学大学院生命科学研究部皮膚病態治療再建学講座
1Department of Dermatology and Plastic Surgery, Faculty of Life Sciences, Kumamoto University, Kumamoto, Japan
キーワード:
メラノーマ
,
妊婦
,
妊娠
,
肺転移
Keyword:
メラノーマ
,
妊婦
,
妊娠
,
肺転移
pp.241-245
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207226
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要約 35歳,女性.左下腹部悪性黒色腫(malignant melanoma:メラノーマ)術後7年で腰部右側に黒色斑が出現し,生検で原発性メラノーマの診断となった.拡大切除+センチネルリンパ節生検を施行し,pT3aN0M0,pStageIIAの診断となり,術後1か月で多発肺転移とほぼ同時に妊娠が判明した.妊娠継続しながら進行期の治療を行うことが困難であることや,妊娠そのものがメラノーマの増大や進展に寄与する可能性を考慮し,患者の同意の上,人工妊娠中絶を行い,ダブラフェニブ・トラメチニブを開始した.治療開始後3か月で腫瘍は縮小した.治療開始後13か月時点で,再発は認めていない.生殖可能年齢の患者をメラノーマと診断した場合,妊娠がメラノーマに及ぼす影響を十分に説明し,不妊カウンセリングの専門家や産婦人科と連携する必要がある.また,妊娠早期に進行期メラノーマの診断となった場合は,早急に産婦人科と協議し,人工妊娠中絶を検討する必要もある.
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