Japanese
English
症例報告
ヒト乳頭腫ウイルスが検出された肛囲のBowen病・Bowen癌の3例
Three cases of perianal Bowen disease and Bowen cancer associated with human papillomavirus
林 理恵
1
,
山﨑 佳那子
1
,
緋田 哲也
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
Rie HAYASHI
1
,
Kanako YAMASAKI
1
,
Tetsuya HIDA
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部皮膚科学
1Department of Dermatology, Tokushima University Graduate School of Medical Science, Tokushima, Japan
キーワード:
Bowen病
,
肛囲
,
ヒト乳頭腫ウイルス
,
悪性腫瘍
,
免疫抑制
Keyword:
Bowen病
,
肛囲
,
ヒト乳頭腫ウイルス
,
悪性腫瘍
,
免疫抑制
pp.1085-1090
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207162
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要約 症例1:59歳,女性.肛囲の紅色局面を主訴に受診.同時期に成人T細胞性白血病を発症.症例2:61歳,女性.全身性エリテマトーデスのためプレドニゾロン内服中.肛門部びらんを主訴に受診.症例3:34歳,女性.子宮頸部高度異形成の合併あり.肛囲の黒色斑を主訴に受診.いずれも生検にてBowen病と診断.病変よりPCR法にてヒトパピローマウイルス(human papillomavirus : HPV)の検索を行い,症例1,3からはHPV16型のDNAが,症例2からはHPV52型のDNAが検出された.症例3では子宮頸部の病変からもHPV16型が検出された.既報告の肛囲のBowen病においても,多くの症例で粘膜型ハイリスク群のHPVが検出されている.また,約半数の症例で子宮頸部病変や血液腫瘍などの悪性腫瘍,ステロイド内服などによる免疫抑制状態を合併しており,自験例もこれに合致していた.肛囲のBowen病ではHPVが関与している可能性が高く,さらに子宮頸部病変,悪性腫瘍,免疫抑制状態の有無について検討する必要がある.
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