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家族性高コレステロール血症(FH)ヘテロ接合体男性患者に1987年よりLDLアフェレーシスを施行し,約2年半後でアキレス腱黄色腫の退縮を認め,薬物投与のみで総コレステロールが210mg/dl前後にコントロール可能となって,薬物療法のみの治療に移行している1症例を報告する.患者はⅡa型のヘテロFHと診断され,狭心症発作を起こした1985年11月に実施したCAGで65%の狭窄を認めたが,プロブコールによる単剤薬物治療ではTC値が400mg/dl前後から低下せず,1987年2月よりプロブコール投与下にLDLアフェレーシス治療を行った.1年後のCAGでは冠動脈の狭窄は認められなかった.また,来院時両足アキレス腱に肥厚がみられ,プロブコールによる単剤薬物療法のみではほとんど改善できなかったが,プロブコール投与下にLDLアフェレーシス治療を開始した1年後でアフェレーシス開始直前値の24mmから18 mmに退縮した.さらにアフェレーシス治療を約1年半継続した時点で10mm,1990年1月にプロブコールとメバロチンの2剤併用投与のみの薬物療法に切り替えた約1年半後には左右ともに8mmの正常値にまで完全に退縮した.薬物療法に切り替えて以降のTC値±SDは,約2年間平均で247±23.1mg/dl,メバロチンの投与量を30mg/日に増した1992年8月以降は210±16.9mg/dlを維持しており,心電図観察でも異常は認められていない.
We present the case of a 56 year-old male with heterozygous familial hypercholesteloremia (type Ⅱa) weaned from LDL-apheresis treatment with the Liposorber system (Kaneka Corporation) combined with lipid-lowering drugs, untile he was able to manage with drug therapy only. The patient had an attack of angina pectoris at 48 years of age (November 1985) and was given lipid-lowering drug therapy consisting of probucol (750 mg/day) for two years. However, the therapy did not sufficiently reduce his serum cholesterol level below 395 mg/dl.
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