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Rinsho Hifuka Volume 54, Issue 7 （June 2000）

臨床皮膚科 54巻7号（2000年6月発行）

Japanese English

症例報告

c-Kit遺伝子変異陰性の単発性肥満細胞腫の1例 A case of solitary mastocytoma without c-Kit gene mutation 野村和夫 ¹ , 菊池康 ¹ , 松山麻子 ¹ , 畑山一郎 ² , 成田竹雄 ³ , 木村正方 ⁴ , 貝森光大 ⁴ Kazuo NOMURA ¹ , Yasushi KIKUCHI ¹ , Asako MATSUYAMA ¹ , Ichiro HATAYAMA ² , Takeo NARITA ³ , Masamichi KIMURA ⁴ , Mitsuomi KAIMORI ⁴ ¹青森県立中央病院皮膚科 ²青森県環境保健センター ³むつ総合病院病理 ⁴青森県立中央病院病理 ¹Department of Dermatology, Aomori Prefectural Central Hospital ²Aomori Prefectural Institute of Environmental Health ³Department of Pathology, Mutsu General Hospital ⁴Department of Pathology, Aomori Prefectural Central Hospital キーワード：肥満細胞腫 , c-Kit , 遺伝子変異 Keyword: 肥満細胞腫 , c-Kit , 遺伝子変異 pp.527-530

発行日 2000年6月1日 Published Date 2000/6/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903285

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Abstract 文献概要
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　3か月，男児．出生時より左肘部に20×15mmの赤褐色隆起性腫瘤があり，時々水疱を形成し，蕁麻疹様発作が数回みられている．病理組織は好酸球を多数混じた肥満細胞の増殖であった．血液生化学検査では異常なく，肝脾腫もみられない．以上より，indolent typeの単発性肥満細胞腫と診断した．腫瘤および末梢血白血球より抽出したDNAについて，c-Kit遺伝子の細胞内キナーゼドメイン，特にコドン560,816の活性化部位を中心として変異の有無を検索したが，変異は陰性であった．近年肥満細胞増殖症においてc-Kitが発症に重要な役割を果たしていることが指摘されているが，自験例のごとく必ずしも全例でc-Kit遺伝子が関与しているわけではないことが示唆された．