Japanese
English
症例報告
免疫抑制関連型Kaposi肉腫の1例
A case of immunosuppression-associated Kaposi's sarcoma
渡邊 美樹
1
,
岡林 綾
1
,
平田 央
1
,
和田 裕介
2
Miki WATANABE
1
,
Aya OKABAYASHI
1
,
Chika HIRATA
1
,
Yusuke WADA
2
1和泉市立総合医療センター皮膚科
2和泉市立総合医療センター血液内科
1Division of Dermatology, Izumi City General Hospital, Izumi, Japan
2Division of Hematology, Izumi City General Hospital, Izumi, Japan
キーワード:
免疫抑制関連型Kaposi肉腫
Keyword:
免疫抑制関連型Kaposi肉腫
pp.445-450
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207018
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要約 69歳,男性.5か月前より出現した両下腿の皮疹を主訴に受診した.当科初診の1年前にネフローゼ症候群のためステロイドパルス療法を施行し,その後免疫抑制療法を継続していた.初診時,両下腿に暗紫色の結節が多発していた.病理組織学的検査では真皮内に紡錘形細胞が増殖し,免疫染色でHHV(human herpesvirus)-8が陽性であった.HIV(human immunodeficiency virus)感染はなく,免疫抑制に伴うKaposi肉腫と診断した.皮膚病変のほかに胃粘膜病変,肺病変も合併しており,免疫抑制剤を中止し経過観察したが改善を認めず,診断より約1か月後に容態が急変し死亡した.急変時に施行した頭部CTで左側頭葉〜後頭葉にかけて低吸収域を認め,Kaposi肉腫の脳病変による痙攣重積発作で呼吸停止に至ったと考えられた.免疫抑制関連型Kaposi肉腫は内臓病変の合併が少なく予後良好とされているが,自験例のように急速に進行する症例もあり注意が必要である.
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