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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
1. 最近話題の皮膚疾患
タクロリムス軟膏による酒皶様皮膚炎
Rosaceirform dermatitis during treatment with tacrolimus ointment
入澤 亮吉
1
,
藤原 尚子
1
,
坪井 良治
1
Ryokichi IRISAWA
1
,
Shoko FUJIWARA
1
,
Ryoji TSUBOI
1
1東京医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
酒皶様皮膚炎
,
タクロリムス
Keyword:
酒皶様皮膚炎
,
タクロリムス
pp.13-16
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101936
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要約 近年,タクロリムス軟膏による酒皶様皮膚炎の報告が相次いでいる.特に長期連用患者に多く発症し,臨床症状はステロイドによる酒皶様皮膚炎と酷似する.組織学的には毛包周囲の炎症性細胞の浸潤,類上皮細胞肉芽腫およびその周囲の毛細血管拡張を示し,ステロイドによるものと異なり表皮の萎縮を伴っていなかった.長期連用に伴う局所免疫能の低下に起因する毛包内での微生物叢の変化が一因と思われた.一般に酒皶様皮膚炎はステロイドを顔面に使用することにより生じる医原病と定義されるが,タクロリムス軟膏によっても同様症状が惹起されることから,定義に若干の変更が必要と考えられた.
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