Japanese
English
症例報告
オラパリブの関与が疑われた結節性紅斑様皮疹の1例
A case of erythema nodosum-like rash possibly associated with olaparib treatment
望月 亮佐
1
,
那須 愛
1
,
中村 彩
1
,
田井 志正
1
,
小倉 香奈子
1
,
長野 徹
1
Ryosuke MOCHIZUKI
1
,
Megumi NASU
1
,
Aya NAKAMURA
1
,
Yukimasa TAI
1
,
Kanako OGURA
1
,
Tohru NAGANO
1
1神戸市立医療センター中央市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe, Japan
キーワード:
オラパリブ
,
結節性紅斑
Keyword:
オラパリブ
,
結節性紅斑
pp.201-205
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206911
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要約 60歳,女性.卵巣癌に対し術後化学療法としてオラパリブ投与開始5日後に,両足関節に境界不明瞭な鶏卵大までの熱感を伴う紅斑が出現した.安静時にも疼痛を自覚するようになり当科を受診した.皮膚生検を施行し,脂肪小葉優位に脂肪小葉間隔壁〜小葉に好中球を少数混ずる炎症細胞浸潤を認め,結節性紅斑様皮疹と診断した.オラパリブによる薬剤性の発症を疑い投与中止し,皮疹は速やかに消退した.同剤内服を再開すると,皮疹の再燃を認めたが軽度であり,その後もPD判定となるまで5か月間投与継続できた.オラパリブはPARP(poly ADP-ribose polymerase)阻害薬の一種であり,2018年に承認された新薬である.同剤による結節性紅斑様皮疹は稀ではあるが報告があり,既報告症例,自験例ともにいずれも中止や減量で消退傾向を示し,かつ小用量であれば皮疹出現なく継続可能であったことから,用量依存性に皮疹が出現する傾向があり必ずしも投薬の中止が必要でない可能性が示唆された.
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