Japanese
English
臨床報告
経過中にシャント血流の消失をきたした膵体部動静脈奇形の1例
A case of arteriovenous malformation with disappearance of the shunt flow during follow-up
黒田 順士
1
,
野﨑 礼史
1
,
久下 恒明
1
,
加藤 昭紀
1
,
吉田 進
1
,
小川 功
1
Yukihito KURODA
1
1茨城西南医療センター病院外科
キーワード:
膵
,
動静脈奇形
Keyword:
膵
,
動静脈奇形
pp.624-628
発行日 2017年5月20日
Published Date 2017/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211622
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要旨
症例は52歳,男性.主訴は上腹部痛.腹部CTで膵体部に単房性囊胞,およびその周囲に微細な異常血管の増生を認めた.また脾動静脈のシャント血流を認め,膵体部動静脈奇形(AVM)と診断した.経過観察中に腹痛が増悪し,腹部CTを再検すると,囊胞は増大し脾静脈への流出血管の消失を認めた.膵囊胞内への出血により囊胞が増大した可能性があり,破裂の危険性を考慮し,膵体尾部切除術を施行した.病理組織検査では,AVMを原因として囊胞が形成,増大した可能性が示唆された.膵AVMは経過中に膵囊胞内への出血をきたし,かつそれに伴いシャント血流が消失することがある.本邦でこのような報告は過去になく,文献的考察を加え報告する.
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